慶太くんが戻ってきて、DVD鑑賞開始。
この前途中まで見たDVDの続きだからね。
30分くらいで終わっちゃった。



いいお話だったから、エンドロールも最後まで見るよ。



エンドロールの文字を追いかけながら、


ソファの上で、隣に座る慶太くんの肩に寄りかかった。



そしたらチラッとこっちを見て、優しい目で笑う。




「さっき言ってた数学の宿題する?」



「もうちょっとこうしてたい」



あたしが慶太くんの腕をぎゅっと抱きしめたら、あたしの髪を撫でてくれた。




……好きだなぁ。


あたし、すっごく。慶太くんのこと好きだなぁ。



同じように想ってくれてるでしょ?今。



目と目があったから、にこっと笑った。



「芙祐ちゃん、可愛」



あたしのことじっと見つめてる、慶太くん。
ヤヨみたいに赤くはならな……。



ヤヨとか、
今ほんと、関係ないし。



「どうした?芙祐ちゃん」


「んーん、なんでも」


慶太くんは何も言わずにあたしを見つめる。
少しの沈黙のあと、


「芙祐ちゃん」



あたしの名前を優しく呼んだ。



見つめ合うこと2.3秒。




どちらともなくキスをした。