【完】ぎゅっとしててね?

…………。

……。



「へぇ、あの子来てるんだね」



「だからといって何もないけどな」



「ラブハプニング起きるかもよ?」


「麻里奈が言うと本当に怖いからやめろ」



「えー、どうして」



ヤヨと麻里奈ちゃんがドリンクバーで、あたしの話をしてたみたい。


そしたらあたしがドリンクバーに来て、すぐに隠れたのを、
麻里奈ちゃんは見てたらしい。




「……やっちゃん。協力してあげる」



「何を?」



あたしが近くにいることに気づいてないヤヨまで騙しながら。



「やっちゃんのこと、やっぱり好き」



あたしに聞こえるギリギリの声で。
麻里奈ちゃんはそう言うと、ヤヨに顔を近づけた。



「動かなかったら寸止めするから……動かないでね」



キスしたように、みえた。



「……何、麻里奈…」



また、新手の技の練習か?
ヤヨはそう思ったらしい……って、麻里奈ちゃんてそんな子なの?



「好きな子なんか忘れて、私の彼氏になって?」




ヤヨが恐れおののく間に、あたしが逃げたらしい。




麻里奈ちゃんはヤヨの恋が叶うように……あたしがヤキモチやいて、ヤヨにいけばいいって。


そういう計らいをしたらしい。


………。

……。



「なん……嘘でしょ」



まんまとはまりかけ……て、ないから。



「っていうか、なんで元カノが元カレの恋応援するの?」


「麻里奈なりの……俺に対するお詫びじゃねえの」


「お詫びって、何の」



よくわかんないけど、何かあったのかな、麻里奈ちゃんとヤヨ。


ていうか、今あたしの中で麻里奈ちゃんのイメージがとんでもなく変わったんだけど。