この角曲がったら、ドリンクバー。


ヤヨが大部屋にいるって言ってたけど。


……大部屋ってどこだっけ。
なんとなく迂回した。




……ってなにしてるんだろ。


引き返して、角を曲がる。


そしたら、ドリンクバーに行く手前で、


「わっ」


突然開いた扉にぶつかりそうになって、人影を見上げれば、ヤヨがいた。


ヤヨ、お目目まんまる。
びっくりしてるね。あたしもびっくりしたけどね。



「わり。……てか芙祐も来てたんだ」


「うん」


「ドリンクバー?」


頷くと「俺も」って。


だから一緒にドリンクバーに向かう。


やっぱりヤヨは中学のクラス会の最中なんだって。



世間話しながら、スペシャルドリンクを調合してたら。




「何だよ、その気持ち悪い組み合わせは……」



ヤヨの顔がひきつってるね。失礼な。
ホントに美味しいのに。



「真似してもいいよ」


「しねぇよ」


「えー?試しにひとくち飲……」



危ない危ない。
このコップリコちゃんのだった。
出しかけたコップをさっと引き寄せた。



「……戻るわ」


「うん。ばいびー」



ぐるぐる。ストローでコップの中身を混ぜる。
ぐるぐるぐるぐる……。頭の中から、出てけ、ヤヨ。