【完】ぎゅっとしててね?



ヤヨとの関係が今終わった。
なんてことしてくれて、なんてことしたんだろう。



大事な友達のヤヨちゃん。



あたしに恋なんて、なんでするの。


ヤヨの、ばーか。



…………。

……。



あの日。中3の3月。



受験番号の連なる白い紙の前で、立ち尽くしてたヤヨ。


”桜、咲いたの?”って声かけたっけ。




本当は受験番号見えてた。
受かってるって知ってた。


友達にヒドイこと言われたのも見てた。


なんかほっとけなかった。


抹茶チョコあげた。
元気だしてほしくなった。





―――合格発表よりもっと前。
高校受験の当日。
あたしの隣の席だった、ヤヨちゃん。



休み時間には自分の勉強をしたいだろうに、友達に聞かれた問題を教えてた、賢い子。



その友達に、合格発表で思いっきり嫌味を言われても。


立ち尽くすだけで何の反抗もしなかった、優しい子。





友達になりたかった。
仲良くなれて嬉しかった。


やっぱり賢くて優しい子だった。


恋愛は邪魔だって、この前気づいた。




そしたら傷つけてた。



好きって言われて嬉しくない、わけがない。
馬鹿はあたし。



ごめんね、ヤヨちゃん。



それでも、ヤヨのことは選べないよ。