冊子も出来上がった。
社会の資料室に置いたら終わり。
そのまんま英文科に寄って、慶太くんタイムだなぁ。たのしみ。



「浮かれてんなよ。落とすぞ」



あたしの持ってた冊子の半分くらいをヤヨが取り上げた。
優しいメンズ。ヤヨ。


「ありがとーっ」



「痛ぇよ、止めろ」


体当たりしたら怒られた。



ごめんね、あたし今テンション高いんだ。
慶太くんにすっごく会いたいんだよね。
そんな日ってあるよね。




暗くて狭い資料室。
パチリと電気をつけた。
埃っぽい。



「ここに置いといたらいいかな?」


机の上。
ここなら先生もわかりやすいよね。



「棚に置いとけって言ってなかったか?」


「言ってたっけ?じゃあそうしよっか」


早く英文科に行きたいから。
棚の上にどすんと置いた。



バラバラバラ………。


急がば回れっていうよね。
もう少し丁寧に置けばよかった。
雪崩がおきた。



「芙祐さぁ……」



ヤヨも、これには苦笑い。

冊子だけじゃなくて、隣に積み上げられてたプリントも、全部雪崩れたからね。




「ごめん」


「いいけど」