「さっきの女子も、あんな風にくっつかれて嫌じゃないの?」


「そんなにくっついてないじゃん」


「私は嫌だなぁ、匠が女子と仲良くするなんて」


「藍ちゃん、世の中には男と女しかいないんだよ」



慶太くんの交友関係を半分にする権利、あたしにはないからね。



「でも文化祭で弥生が元カノといた時、かなり妬いてなかった?」


「妬いてないよ」


「ふぅーん」



何その目は。
本当に妬いてないんだけど。



「芙祐はよくわかんないなぁ。本当は弥生のこと好きなんじゃないの?」



「ヤヨは友達。ちゃんと慶太くんが好きだよ」


「だって、この前慶太くんと……」



突然、藍の声が小さくなった。




「慶太くんと……未遂に終わったって言ってた時”弥生のせい”っていってたじゃん」



「うん、言ったね」


「弥生が頭に浮かんで、できなかったってことでしょ?」



うーん、まぁ、そうだけど。
より丁寧に言うなら




「ヤヨが”貧乳”って言ってたこと思い出してできなかったんだよね。やっぱり胸はあった方がいいかな?とか思って。」



藍ちゃんがわかりやすいくらい、ぽかーんとしてる。



「ごめん弥生……」


「なんでヤヨに謝るの?」




ヤヨはお家だよ。変な藍ちゃん。