SIDE 芙祐

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移動教室から戻ってくると、ヤヨの机はすでにカラッポ。
ヤヨ、もう帰ったみたい。



「芙祐ちゃん」



今日も慶太くんとお弁当を食べる。
カップルっぽいよね。



「慶太くん、今日は藍ちゃんと3人でもいい?匠くんお休みだから」


「了解。風邪流行ってるよね。はいこれ。」



手渡されたのは、さっきヤヨをぐるぐる巻きにしたひざ掛け。



「なんで慶太くんが持ってるの?」


「さっき廊下で弥生くんに会ったんだよね。しんどそうだった」


「へろへろだったでしょ」


「かなりね」




3人で廊下のベンチに移動。
今日はここでお昼ご飯。



他愛もない話が進む。
ふと、ヤヨのこと心配になってきた。



ちゃんと家についたのかな。
さすがについたよね。子供じゃないし。



……。
うん、でも一応メールしとこ。



「芙祐ちゃん?」



「んー?」



「今日の放課後俺用事あるから、先に帰ってて」



「そうなんだ。わかったよ」



「藍ちゃんは匠の家に行くんだ?」



「うん。一応行かないとすねそうだし」



「はは。わかるかも」




お弁当も食べ終わって、のんびりしたころ。