「……!藍ちゃーん」


「芙祐!」



ふたりに事情を話してるみたい。
ほんとごめんね。俺、バカだわ。



話が済んだのか、安心した藍ちゃんを芙祐ちゃんが撫でてる。



「なぁ」


弥生くん、いつの間に隣にいたの。



「今回は違ったのかもしれないけど、浮気したら絶対許さないから。俺が」



ふーん。



「かっこいいんだね、弥生くん」



俺たちの間に走る火花を可視化したら、町中明るくなると思うよ。



「俺は芙祐ちゃんしか見てないから。安心してよ」



期待しないでね。
俺は、浮気なんてバカなことしないから。



「芙祐ちゃん。門限」


スマホの時計をちらつかせる。


「あ、ほんとだ!またパパに怒られる」



路線の違う藍ちゃんと弥生くんと別れてから、電車に揺られること数分。


芙祐ちゃんの家まで送る、2人きりの時間はいつも一瞬で過ぎ去る。