玄関を出てから手をつなぐの。



「そうだ、明日は一緒に帰れないんだ」



明日は焼き肉なの。文化祭の売り上げ金がスポンサー。
クラスのみんなで、文化祭とテストの打ち上げなんだ。



「俺も明日はちょうど用事あるわ」


「ならよかった」



気があうなぁ。



「そういえばね、この前」


あたしの話、にこにこしながら聞いてくれる。


ぎゅっと手のひら握りしめて。



慶太くんがあたしを見る優しい目はね、
あたしのこと好きなんだな〜って思わせてくれるんだ。



あたしもこみ上げるよ。この気持ち。



「ダイスキ」



「いきなりだなあ」



戸惑いながら笑ってる。



「俺も」



路地裏。
慶太くんがあたしにキスを一回。

だから、あたしは彼を見上げて、二の腕を掴む。



背伸びしながら、



「もっとしたい」



唇を重ねた。




「……芙祐ちゃん」



ほっぺ赤い慶太くんの困り顔。
困らせたい。もっともっと。




「…可愛すぎるから」




ぎゅって抱きしめられた。



慶太くんの優しい温もり。独り占め。


だいすき。慶太くん。