ヤヨはあれから。
何事もなかったようにしてるから。
あたしも、何もなかったように過ごしてる。
慶太くんと付き合って、早いこと一週間。
毎日一緒に帰ってるよ。
歩けば20分の道のり、自転車ひきながら帰るの。
なんか、カップルっぽくなってきた。
今日のお昼は藍と匠くんカップルと
Wデートらんち。
中庭でお弁当食べてるところ。
「あれ?藍と匠くんのお弁当おそろいだ」
「うん、作ったの」
「えー、藍ちゃんすごい。おいしそう」
彩りもきれいだし、タコさんウインナーじゃなくて、お花ウインナーがあちこちに。かわいすぎ。
隣で菓子パンを食べてる慶太くんを、そっと見上げた。
視線に気づいた慶太くんが首をかしげて笑う。
「大丈夫。俺菓子パン好きだし」
「つくろうかな…」
語尾が小さくなるよね。
「作ってくれるなら嬉しいけど。火事や怪我に気をつけてね」
「いじわる」
慶太くんはいちごミルク飲みながら、二重の大きな目を細めて笑う。
いちごミルク似合いすぎ。
甘いフェイスに、風にふわっと揺れる茶髪。
この人、あたしの彼氏。
超かっこいい。って、再確認。