SIDE慶太
***
「俺が聞いてきてやろうか?」
弥生くんが、怒ってる理由。
だってさ、さっさと解決してほしいんだよね。
芙祐ちゃんが男のことで悩むのは、都合が悪いから。
「弥生くん、今ひま?」
放課後はなんでか知らないけど”元カノ”さんと帰るだろうから。
昼休みに、弥生くんに声をかけた。
多目的スペースのテーブル、一番端。
ここならだれにも聞こえないでしょ。
「暇じゃない」
「あっそー。ちょっといい?」
「だから暇じゃねえから」
「芙祐ちゃんの話っていったら?」
「……は?」
「いいから座ってよ。はいお茶」
「……なに?」
弥生くん、前より俺への態度が辛辣になってない?
すごく嫌々座ったよね、今。まぁいいけど。