ヤヨには完璧に嫌われてる真っ最中だけど。
時ってのは待ってくれないし。


文化祭の準備も、なんだかそっけない。



「ヤヨ、これはどうする?」


「あー……置いといて。あとでやっとくから」


「……ハイ」



何やらかしたか覚えてないあたしも悪いけどね。
そーんなひきずることないじゃんね。



ほっぺ膨らませて、ヤヨの後ろ姿睨んでみる。



「芙ー祐ちゃん」


後ろから肩を叩かれて、振り向くと慶太くんがいた。



「ぷは!何その顔!」


「逆ギレの顔だよー」


「逆ギレ?」


「そーなの。ヤヨがあたしに怒ってるんだよね、ずっと」


「なんかしたの?」


「……ホント、なにしたんだろうねー」



いくら頭を抱えてもわかんないけどね。
だからもう思い出さない。
前を向いて生きるタイプだからね、あたし。