文化祭まであと一週間。委員の仕事も忙しくなりつつあるのに、ヤヨってば麻里奈ちゃんと毎日待ち合わせしてるから。



いっっつも巻きで終わらせてる。



「麻里奈ちゃんのこと好きなの?」


何度もそう聞くけど、


「そういうんじゃない」の一点張り。



お似合いのふたり、毎日見てるとね。
なんかもや〜もやもや〜ってするの。



だから最近は一緒に帰るのやめた。


そんな放課後、慶太くんと廊下でばったり鉢合わせた。


多目的スペースのベンチで。のんびり。ほのぼの、ジュースタイム。
正門でヤヨを待つ、麻里奈ちゃんが見えた。



「最近弥生くん、彼女できたの?」


「あの子は元カノなんだよ。付きあってはないみたいだけど」


「最近しょっちゅうあの子が正門にいるの見たけど。へぇ、なんだ。付き合ってないんだ」



「もともと別れた後も仲良いみたいだよ」



「それこそ、俺らにはよくわかんない価値観だね」



「確かにそうだよね。いい思い出だけ頭に残ってれば満足しちゃうなぁ、あたし」


「それ前も言ってたね」