「落ち着いた?」


「取り乱してごめん」


「ははっ。突然ポーカーフェイスにならないでよ。慰め甲斐がないじゃん」



慶太くん、そんなこと言って。
さっきまでいーっぱい慰めてくれたから涙止まったんだよ。



「切り替え早いっていけないことかなあ?」



「なんで?全然悪くないでしょ。器用にできるんだろうなって俺は思うけど」



「慶太くんは別れた後の気持ちの切り替え早い?」



「どうだろうなー。でもいつまでもネチネチはしないな」


「そっかぁ」


「いろんな人がいるからね。価値観なんか違って当然じゃない?正解だってないよ。とくに恋愛は」


「うん。さすが、グローバルなとこで生きてきただけあるね」


「芙祐ちゃんは芙祐ちゃんのやり方でいいじゃん。自分のことなのに周りまで気にする必要ないよ」



「慶太くん……」


「美味しいもん食べて忘れようよ。な?」


「うん」



慶太くんのおかげで、新メニューの味がわかってきた。美味しい、これ。
採算取れてるのか心配になるほど豪華フルーツのプリンアラモード。



「うんうん、芙祐ちゃんは笑ってないと」



嬉しそう。慶太くん。



あ、発見。
あたしが笑うと絶対笑ってくれる。


そんな慶太くん見てたら
胸の奥、きゅんとした。