【完】ぎゅっとしててね?

藍ちゃんに言われたから、あたしは真面目に考えるよ。
いつも真面目だけど、もっとね。



放課後には、慶太くんとカフェにいく約束をしてるから、玄関で待ち合わせ。



化粧直して、よし、おっけー。



「芙祐帰んの?」


身支度を終えたあたしにヤヨが問う。


「うん。今日は委員の仕事ないもんね?」


「久々にないよな」


いつものようにあたしの隣を歩くヤヨ。


「化粧し直して、この後なんかあんの?」


「うん…カフェ、行く」



「あー…桜木慶太と?」



「うん」


ヤヨの顔色伺ったところ、ポーカーフェイス。


やっぱりあたしのこと、好きじゃないのかな。

しばし、沈黙。


そうこうしてたら、玄関についた。


「じゃあ、またね、ヤヨちゃん」


手を振るあたしを見つめて、ヤヨが立ち止まる。




「……ほんと芙祐って、誰でもいいんだな」