【完】ぎゅっとしててね?








ヤヨはあたしのことを好きかもしれない。


そう思ったらいつものノリとかできなくて。ヤヨにベタ絡みするのも遠慮しちゃう。
なんかちょっとつまんないような……。



あたし、思ってたよりヤヨとふざけてるの楽しかったんだなぁ。


もしかして、この悪ふざけを牽制するために「好き」ってことにしたのかな?


あ、よくわかんなくなってきた。ヤヨの気持ち。全然わかんない。



「……はっきりしてほしー」



休み時間に一人、窓の外に向かってつぶやいちゃったよ。


「芙祐ちゃん」


その声に一瞬ドキッとした。


「慶太くん。移動教室?」


「そう。芙祐ちゃん眉間にシワ寄せてどうした?考え事?」


「うん…ちょっと」


さっきまで頭の中、ヤヨでいっぱいだったのに。
慶太くん見るとドキドキしてくる。



あたしって、慶太くんのこと好きなのかな?
どうなんだろう?