SIDE 芙祐

***


「お前は隙がありすぎるんだよ」



「はいはい」



ただいま説教いただいてます。
ご機嫌ナナメのわんちゃんに。



だけどね、正直。
慶太くんのキスってなんか……。



「慶太くんてやっぱり百戦錬磨なのかなあ?」


「は?」


「キス上手っていうか、ドキドキしたかも」


久しぶりにトキメイちゃった。不覚にも。
多分慶太くんの必殺技をくらったんだよね。


あ、にやけてた。


そんなあたしに、ヤヨは呆れてるみたい。



「……馬鹿じゃねえの。お前みたいなやつがああいうのに騙されるんだよ」


「何その言い方ー」



いつも通りほっぺびよーんの刑しようとしたら、


バシンっ

手を払われた。



「いい加減にしろ。……まじでムカつくから」