「……だ、だから。慶太くんあんまりそういうの言わない方がいいよ」


あれ?声に出てた?
……やっば。


でもさ。
芙祐ちゃんも、なんか動揺してない?


「俺は本気で芙祐ちゃんのこと好きだよ」


「だからー。もー、慶太くんはー。そういうノリはヤヨだけで十分だよ」



……弥生くんだけで十分。なんだって。


芙祐ちゃんてさ、ほーんと、


「むかつく」


「えっ」


「なんて言ったら通じる?」


もうすぐ英文科と普通科の棟の分岐点。



芙祐ちゃんの手を引いた。


バランスを崩して俺の方によろけたその瞬間。



「……んっ」



芙祐ちゃんの唇を奪った。