学年集会が終わって、芙祐ちゃんを迎えに行った。
俺たちの唯一共存できるイベントは月一度の、この頭髪検査。



「芙祐ちゃん。呼び出しでしょ?行こ」


「慶太くんも懲りないねー。行こー」



弥生くんはこっち見ないようにしてるけど、全身でこっちに注意がいってるの丸わかりだよ。



「慶太くんは髪の毛で呼び出し?」


「そーそ。ほら、ドリルと間違ったアレでセットしてるから」



なんて、ふたりにしかわからない話、わざわざしてみたりして。


「もーその話はいいじゃん。恥ずかしいなぁ」


「可愛いじゃん。姉貴もすげー笑ってたよ」



「ネタにしないでーっ」



ほっぺに手を当てる芙祐ちゃん。


弥生くんと俺とで
良くも悪くも、
芙祐ちゃんの態度って全然違うと思わない?


ねえ、弥生くん。