「もう終わり?しばかれたりない」


「うるさい」


「いひひ」



「ふたりとも〜いちゃいちゃしすぎ〜」


って隣のクラスの列に並ぶリコが、髪の毛くるくる弄びながら笑ってる。


「してねぇよ」


「わ、また振られた。ヤヨちゃんひどくない?」


「もう、芙祐さぁ、あんまり堂々とらぶらぶすると、慶太くん泣いちゃうよ〜」


「えー、あたしのために泣いてくれるのかな」


「ふざけないでよ〜ほんとに慶太くんて芙祐のこと好きらしいよ?この前合コンで言ってたもん」



「ちょっと待って。あたしをおいてリコまた合コン行ったの?」


「うん。だって芙祐合コンはもう行かないって言ってたじゃ〜ん」


「そ、そうだけども」


でもでも、お誘いくらい。
欲しかったような。出会いとか。出会いとか。



「慶太くん合コンの場なのに普通にリコに芙祐のこと本気みたいな話してくるからね〜。なんか萎えたけど応援中。というわけでリコは、芙祐と慶太くん派だから、弥生ごめんね〜」



「……なんで俺にごめんなんだよ。関係ねぇし」



「リコなんか勘違いしてるよね?あたしとヤヨのコレ、ネタだからね?ねぇ?」



「……あ?」


瞬間的にヤヨに睨まれた。

間髪入れずにリコが


「あ!と〜、ほら、芙祐!頭髪検査対策しないと!ね!」

ってあたしの髪の毛いじりはじめる。



「リコちゃん、髪染めてる時点で無駄だからいいんだよ」



「いいから!も〜芙祐のばか〜」


怒られた。なんで。


「リコも弥生いじるようなこと言ったけど、芙祐からそんなこと言われるのは弥生かわいそうだよ〜」



小声で言われるけど、リコは本当に誤解してるみたい。
まるでヤヨがあたしのこと好きみたいに。
ありえないのに。