「ヤヨ、起きろー。」


ほっぺたツンツンしてもぜーんぜん、起きない。


相変わらず、可愛い寝顔。


「ヤヨー委員の仕事するよ。」


頭ナデナデ。
髪の毛ぐしゃぐしゃ。
全然起きない。


ポケットから最終兵器。
必殺ぺこちゃん飴。


口にぎゅーって押し込んでやれ。

それ見て藍ちゃんが吹き出した。


「ヤヨちゃーん。やっちゃーん。起きろー」


「んー……。りな?」


ヤヨが口に飴を迎え入れてから、むくっと起き上がった。


「リナってだれ?」

って身を乗り出したのは藍ちゃん。



...リナ。


あ。わかった。
ちがうちがう。


「きっとリナじゃなくてマリナだよ。ヤヨの元カノ、麻里奈ちゃんっていうんだよ」



「なんの話だよ?」


「弥生が今芙祐のことリナって呼んだから」



「言ってねえし」


「言ったよー。やっぱあの可愛子ちゃんのこと引きずってるんだ。連絡とらないの?」



かわいそうに。
頭よしよしってしたら
ばしんって振り払われた。




「……もうまじでお前、最悪」



「失礼な。早くこれやっちゃって帰ろ?」



もうすぐ文化祭だから、色々と提出物があるんだよ。しかも今日中。