・・・・・・・。



「慶太くん、見た?今の。にこちゃん花火可愛いね」


「そうだね」



頑張る気なんかなかった。
気になる存在のまま、風化していく気持ちだと思ってたから。



まさか、あの芙祐ちゃんと関わりが出来て。
まさか、二人で花火に来るなんて思いもしなかったけど。



「慶太くん」


そう呼ばれることも、ないと思ってたけど。


「手、離していい?あたし汗が……」


「駄目」



ぎゅって握り直した。


可愛いからいじめたくなる。



俺がじっと見つめると目線をそらす、芙祐ちゃんが可愛い。