それ以降、芙祐ちゃんとはとくにかかわりもなかった。


でもなんとなく、意味なんかないけど、学校でよく芙祐ちゃんを見かけるようになった。


別に芙祐ちゃんが俺の前に現れる回数がふえたわけじゃない。


俺が、芙祐ちゃんを無意識に探してるって気づいたのは、学年が2年に上がる頃。



「なぁ、合コン来るだろ?」


匠が俺に問う。


「行ー……どうしようかな」


最近、そういうのすらめんどくさいんだよな。


「ってか匠は藍ちゃんに片思い一筋なのに行くのかよ?」


「藍も来るからな。ってかお前のために開くんだって」


「はー?別にいらないんだけど」


「”芙祐ちゃん”」


その言葉に思わず顔をあげた。



「ほら、来るだろ?藍に頼むからさ。お前最近ノリ悪すぎるし、俺たち合コンしたいし」



おい……どうせそっちがメインだろ。

まぁ、でも。


「サンキュ。その合コン行くわ」



芙祐ちゃんは俺のこと覚えてるかな?


なんてささやかな願いは後に玉砕したわけだけど。