そんなことがあった数日後。
進路についての学年集会で1年全員が体育館に集まった日のこと。


芙祐ちゃんと藍ちゃんの会話が聞こえた。

「えー、そんなんで別れちゃったの?」


「うん。束縛されたくないもん。人の生活を尊重してくれる人がいいって気づいたんだよね」


「芙祐……。せっかく長く続きそうだったのに」


「だって話し合っても価値観が合わないんだもん」


「次はちゃんと選びなよー?もう」


「はぁーい」




近くで初めてみる芙祐ちゃんは、今日は黒縁の大きなメガネをかけていて。



白い肌、メガネの奥の長い睫、大きなネコ目。
ピンクの唇はぷるんとしてる。
人形みたい。



制服は正しい着こなしではなくて、でも似合ってて可愛い。
オレンジ色に塗られた爪が、ゆったり着こなしたキャメルのカーディガンの袖から見える。




あー、これは、もてるわ。


そんな印象。