「ごめん!時間を勘ちがいしてて!」


息を切らせながらの平謝り。
怒ってるよね?


だって1時間もこの暑い中待たせちゃったんだから……!



「……よかったー。大丈夫?」


「え?」


「事故にでもあったかと思ったよ。無事でよかった」



安堵の溜息と、にっこり笑顔の慶太くん。
拍子抜け。



「ほんとにごめんね。1時間も……」


「髪のコレ、取れそうだよ」


ってコサージュを直してくれた。


「あ……ありがと」



「走ったの?疲れたでしょ。リンゴすき?」


って渡してくれたのは。
冷たいリンゴジュース……?本当に?


「慶太くん……ありがとう」




うるっときた。
あともう少し涙腺緩かったら感動泣きしてたよ。


慶太くんはね、多分天使の生まれ変わり。


「ちょっと休んだら行こっか」


ってにこにこあたしを待っててくれる。


あたしが感動して見つめてたら


「浴衣可愛いね」

だって。

ちゃらいとか、もう言いません、先生。