日陰でアイス食べてたら、

「芙祐じゃん」って聞き覚えのある声。


「あ……」


あれ、あの人。ほら、あのときの。
最近アレが増えてきたよね。じゃなくてえっと。


「久しぶり」


「……」


名前が出てこない。
でもね、元彼。
や、ゆ、よ……。よ!ようすけ!洋介!
はー、スッキリ。


って、洋介にものすごくガン見されてる。


「あ。うん。久しぶり」


「何今のタイムラグ?……ってか、彼氏?」


って慶太くんをちら見。
慶太くんはにっこり会釈。


「ちがうよ」


「なんだ。つーかお前アドレス変えただろ」


変えてないよね。
拒否してるだけで。


「藍に頼んでもアドレス教えてくれねえし。教えてよ」


「教えたところで……」
届きませんけど。とは言えないよね。


「お前さぁ」

そう、これ。
このお前お前って上から言うところ、好きじゃなかったかも。
っていうか、別れたし。もう興味もないし。
だいたい、浮気したの洋介だし。



「芙祐ちゃん、行こっか」


突然慶太くんに、手をぎゅっと掴まれた。



「は?待てって」


洋介が呼び止めた。


けど、慶太くんの手はしっかりあたしの手をにぎったまま、



「……見てわかんない?困らせないであげてよ」



にっこり、営業スマイル。逆にとっても怖いよ慶太くん。