なんかひとつでいいから、俺を男として見てくれたらいいのに。



「こっちから一周してまわろっか」


「なぁ。今日は”デート”なんだろ?」


「うん、二人だからね」




あいた手のひら。


ぎゅっと掴んで歩き出してみたら。


「え?」


って戸惑いながらも俺の手を握り返す、芙祐。


「ヤヨ?」


不思議そうに俺を見上げる顔は、別に赤くもなんともないけど。


「手、つなぐならこうしようよ」


そう言う芙祐は、指を絡めて結び変える。


……恋人つなぎ。