何秒、何分たったかは分からないがぼーっと彼を見ていた。
「お前名前は?」
耳に入ってくる彼の低く優しい声が心を落ち着かせる
ハッとなって
「新田 凛 です。」
と答える。
そして、彼が口を開く
「俺の名前は
城田 愛翔
だ。」
確かに彼はそう言ったのだ。
彼の名前は私を驚かせるには十分で、だけどやっぱりなとおもった。
今日一花にきいた〝トップ〟の容姿と一致したから。
そしてなぜか私は
彼のその声を私だけのものにしたいと、
その青い目を私だけ写してほしいと、
その低く優しい声は私のために使ってほしいと、
彼の〝唯一〟 になりたいと。
嗚呼。
私は。
彼を好きになってしまったのだ。
