なんだかその話を聞いて〝その子〟が羨ましく感じた。
でも、その子は誰なんだろう?
やっぱり誰かの彼女だったのだろうか?
気になって
「その子は誰なの?
なんでブルドラ全員が懐いたの?」
そう一花に聞くと苦笑いで
「その子はこのクラス〝だった〟の。」
「〝だった〟?」
「そう。凛がさっき座ろうとした1番後ろの
席だったのよ。」
「今どこにいるの?」
「知らないわ。
ブルドラは知ってるみたいだけど…
噂では学校やめたとか?」
「やめた?」
「噂だからね!! 嘘だと思うけど…
ブルドラ内だけの秘密みたい」
秘密か…
なぜかすごいきになる。
「〝守るべき姫〟なのに…」
ボソッと一花が言ったのを聞き逃さなかった。
「〝守るべき姫〟って?」
そう私がきくと
「ブルドラには代々〝姫〟がいるの。
正確に言うとトップの女ってこと。」
「トップの女?」
なぜだか心臓がドクドクなっている。
「そう。その子は今のトップの女なの。
トップの女を〝姫〟にすると弱みにもなる
し強みにもなるの。」
