「あ、あぁ……。」



何も間違った事は言っていない。
ただ、心の傷がまだ癒えていない俺には
"失恋"という言葉を改めて重く感じてしまった。




「そっかぁ…まぁ傷心って言ったら大体はそれだよね・・。
でもさ、失恋なんて皆乗り越えていくもんだよ?
・・って、言っても今まだ辛いのは仕方ないと思うけど……。」




涼は思っていたよりも俺が落ち込んでいると思ったのか
さっきまでのからかった口調を止め、心配そうに俺を見つめた。




「でもなぁ俊、気持ちはわかるけど
いつまでもそのままいたって仕方ないだろ?
お互い納得して決めたんだよな?だったら前向かないと意味無いぞ。
死ぬほど好きだったんだろ。だったらもしまた好きになれる子が出来たらその時はさ…」





いつになく真面目な竜也がまっすぐこっちを見ている。





「・・な、・・・なんだよ。」





「ー・・・俊一、
その時は絶対にその子を残して死ねない覚悟で好きになれよ。」






ぐぐぐっ………





竜也のその一言に一瞬で胸がぐっと締め付けられる…





いつもはふざけてばかりの竜也だが
不意に確信をついてくるところは毎回ビクッとさせられる。






そういえばコイツにはかなり助けれたんだっけなー・・