そんなことを考えているうちに
今日も1日が終わってしまっていた。



「皆さん、本日もお疲れ様でしたー。」

「お疲れ様でぇーす。」



全体の挨拶も終わり、周りのは荷物を持ってさっさと帰宅していく。


あぁー、もう22時か……。
今日はー・・




と、その時
鞄を抱えた涼が走ってきた。


「俊〜、お疲れぇ〜!」

「おぅ!涼お疲れー。」

「ねぇ、俊今日何すんのー?」

「え…あー、今日は…別にー・・・。」



頭をポリポリ…とかきながら
顔をそらす俺を涼がグィっと覗き込む。


タタタ…タッタ…タタ………




ー・・ガバッッ!!!

「ぅおっつかれぇーぃ!」




走ってきた勢いで竜也が涼に抱きつく。
ちなみにこれも、いつもの光景の一つだ。




「ぅわぁあっ!!ちょ、何?!ビックリすんでしょーが!」

「はははっ。 ごめんってーぇ。 んで?何の話っ?」

「あー、あのね?今日あたし友達とご飯のつもりだったんだけど
友達が急用出来ちゃったみたいだから暇だなーって思って。」




涼が思い出したかの様に俺の方を見た。




「………。」







俺は明らかに困った顔で涼を見る…





すると竜也が
「あー、ダメダメ。俊は今日"傷心記念日"だから。・・なっ?」

とニコッっと笑いかけてきた。




コイツ……また余計な事を……

そう思った俺に





「ー・・・"傷心記念日"ぃ??」




まるで面白い事を聞いた!と言わんばかりに
涼がニコニコしながらこっちを見る。




はぁ……



その時俺は、また面倒くさい事になったという気でいた……。