「君たちは、歌は好きかい?」

一年前の、12月25日。
毎日雪が降るこの世界でも、一層たくさんの雪が降った日。

それは唐突で、理由を理解する暇をも与えてくれない、やけに急かされた始まり。

「ネイロビトとして、歌で世界を守ってくれないか」

その始まりは、何の変哲もない国民だった俺達が、王様直々に城に呼び出された日。