『君はニンゲンだからいろんなヴァンパイアに狙われちゃうんだよ。
君の血がなくなれば君は死んでしまう。
だから、』

ヴァンパイアになればいいんだよ、彼は言う。


「で、でも、ヴァンパイアって血を吸わなきゃ生きられないんでしょう……?」


私は血を吸うなんて嫌だ。
だから、なりたくない……


『なに言ってんのー?』


はぁ?


『そこまでヴァンパイアは弱くないでーす』


ちょっと待って。
いやいやいや、ヴァンパイアって……、え?


『ニンゲンも進化するようにヴァンパイアも進化しますー!
血を吸うのは自身を強化、ステップアップするためだよ♪』

「じゃぁ、私の血を吸ったのは……」

『僕の強化♪』


私はそのために血、を………

はぁ……


そんなことを考えながらため息ついたら………







「あ、れ?」


身体が、動かない………?


『君!』


彼の声聞こえる……


ん?目の前にカーペットが……

あーちょっと湿ってる……真っ赤なカーペット……





まるで細い糸が切れたように、私の意識は途切れた____