な、に……これ………

そこに触れた私の手も赤くなる。


すると彼は私に触れた手をちょっと舐めてこう言った。



『あーうっま♪ やっぱりニンゲンいい……ん』



薄く、だけど少し無邪気に彼は笑った。


「美味しい、って…何ですか……あなたは……」

『なーに言ってるの、君? 言ったはずだよー?僕は、』


怖い、怖い。

震えて聞いた私に対し、彼は相変わらずの笑顔で言う。



『ヴァンパイアだよ』



彼の姿はその瞬間、なにか恐ろしく感じた。


『え、知らない? “吸血鬼”。
ほらー……ニンゲンとかドーブツのさー“血”だっけ? を飲んで暮らす人。
……あー…人っつーもんじゃないかー…』


ペラペラと楽しそうに語り出す彼。


「きゅうけつき……」

『そうだけど? Are you understand?』

「あ、はい………」


思わず返事をしてしまう。

なんで、私。

なんなの………此処。