彼に手を引かれながらお屋敷の中を歩くこと十数分。


『此処だよ』


そう彼が言って入った部屋は、なんか部屋と言うより……


「体育館……?」


広い。広いぞ。
なんだ、お屋敷の中に体育館があるのか此処は!


『っははははははは!』

「え、ちょっ!」


……私が無意識に呟いた一言は彼のツボを刺激したらしい。


『た、体育館ねぇ』


……いつまで笑っているつもりなんでしょうか。



そしてさらに待つこと数分。

彼の笑いが収まり始めた頃、やっと彼が稽古について切り出した。