『さてさてー』

「うわぁ!」


あのあと、私は部屋に戻ったものの、そこには彼がいた。


『君さ、強くなりたいんでしょ?』


あ、そっか。
私、強くなりたくてヴァンパイアになったんだっけ。


『ほら』

「?」


彼が手を出している……


『けっ、稽古っ! つけてやるから行くぞ!』

「え、あ、はいっ!」




知亜希さんは半ば強引に私の手を引いたけど、嫌じゃなかった。

むしろ、
落ち着いて、安心した。