「あ、そういえば……」

『ん?』


聞きそびれていたことがあった。


「今、私が使ってる部屋……こないだ知亜希さんは“私のための部屋”って言ってたじゃない?
あれ、どういうこと……?」


そう、彼は以前私の部屋を、私のための部屋だ、と言ったのだ。



『名前、呼び捨てでいーのに……』


だって慣れてないんですもん。