名前がない__? 『だから君が好きなよーに呼んでくれて構わないよ~♪』 好きなようにって…… 私は必死に頭をフル回転させる。 夜、赤、青年、吸血鬼…… どれも交わらないようなワードばかりだ…… 小さな声で復唱しながら考えた。 「……あか……や……きゅうけつき……あ!」 『ん?』 「ちあき、はどうでしょう?」 血と赤と鬼。 そこからとって“ちあき”。 漢字は“知亜希”。 彼が笑う。 『最高じゃん』