ちょっとずつ裕也さんたちに近づく。 がっしりと理紗の腕に自分の腕をからめて。 今にも周りの人の多さに倒れそうだったから。 すると、何やら話しこんでいた4人のうちのひとりである小さい男の子が、私たちの存在に気づいたようで、右ひじで隣のさらさら髪の男を小突いた。 「なあ」 「んだよ」 近くまで来ていたから、声がしっかり聞こえた。 「なあ」 「しつこいよ?」 さらさら髪の男が顔をあげたとき、ばっちり目があってしまった。 …き…まずい……。 そんなに見られたら、穴あきますってー…