目の前に広がるのは、まさに生き地獄。

だって…みんな、バケツもってる。
これあれだよね。
水ばしゃ!ってかけられるやつ。

最初から用意されてたみたいだから…
相当、お怒りなんだろうな…。


「おいお前!黙ってねーでなんか言えば?」

「怖いよせんぱーい!もっと優しく言ってあげて!」


そんなセリフを
爆笑しながらいう先輩もかなり怖い。


「そろそろお気づきかな?」

「このバケツの中身に!」


相変わらず爆笑しながら話すふたりが、うちには悪魔にしか見えなかった。


「水、ですか?」

カの鳴くような声しかでなくて、すごく心細くなった。


「あー、おしい。」

「はやくかけよーよ。」


ーービシャッ。


「あっごめん!せーのでやるはずだったのに手がつい勝手に!」

さっき爆笑してた先輩だ…。

「あ、ねえねえ。何が入ってたかわかったー?」

「…牛乳、ですか、?」

「おー!いい線ついてるよ!牛乳と、オレンジジュースと、お茶と、紅茶だよ」


だからこんなに臭いんだ。
でもなんでそのくみあわせなんだろ…


「あっちなみにー!いろんな人らの飲み残しだから!」


嬉しそうな顔でいう先輩。
怖すぎて、なにももういえなかった。