「たか、卒業おめでとう」

たかはびっくりしたように目を見開いて、それから、慌てて俺の横を通りすぎようとした。

「待てよ、なんで逃げる訳?」

気がついたらたかの前では使ったことのない、ちょっと乱暴な口調でたかの腕を掴んでいた。

「ご、ごめん…痛く、なかった?」

「なにか、用?学校行かなきゃいけないんだけど」

気まずそうに視線をそらすたかの手に半ば無理やり昨日書いた返事の手紙を渡す。


「これ、時間のあるときにでも読んで。昨日の返事。本当は口で言うべきかも知れないけどたかが手紙書いてくれたから、俺も手紙にした」


そう言うと困惑したように俺を見つめてきた。