ヒトリゴト。



僕のものにはならない彼女。


いっそ、僕の部屋に来た彼女の自由を奪い、僕の部屋に閉じ込めてしまえば、僕のものになるんじゃないかと。

けれど、僕にはそんなことさえできない。

そんなことをしたら、彼女は泣くだろう。そうしたら僕は、拭うことのできない後悔と絶望に堕ちるだろうから。


いっそ、僕の部屋に来た彼女を追い返してしまえば、僕はもう少しだけ楽になれるんじゃないかと。

けれど、僕にはそんなことさえできない。

彼女を見るたび、苦しくて、泣きたくなるのに、それに負けないほどの喜びと、嬉しさがそこにはあるから。



だから、僕は毎夜、彼女が扉を開けるのを待っている。


*end*