呆気に取られたような優汰は、我に返って、まず友達のものを見て、苦笑した。
「お前コレ手抜き??」
うん、とか言って笑う友達を呆れたように見た後で私のチョコに目をやった。
ラッピングも、もちろん友達の力を借りて。
精一杯綺麗なものを選んだつもりだった。
中をのぞいた優汰は感心したように、
「コレ、お前作ったの??」
ドキッとした後、まぁ作ったよね!なんて思いながら、心臓に冷や汗流して
「当たり前でしょ!」
と切り返す。
へぇーと、まじまじと見つめた後で、ん?と取り出したのは、サッカーボールのチョコ。
「おっ!これ食べれんの?」
「え?当たり前だって!」
「え?え?本当に??」
??何をそんなに可笑しそうにしてんだ?と思いつつ優汰の指先のチョコを見る。
そのチョコは、市販のもので、色とりどりのサッカーの絵の紙に包まれていて、優汰は、それを食べれるのかと聞いていて…
「…あ!ああっ!いやいやいや無理無理無理」
ブンブンと赤いコートの袖口を顔の前で振れば。
何がどうなのか、
「お、おうおう」
なんて、おどけたように微笑んでいた。
それにまで、ドキッとしていたとか口が裂けても言えなくて。
そんな思い出


