地元に残り家業を継ぐ者、公務員になる者、就職する者。


あと1年後にはこの大きな選択を迫られることになる。


だけど、私は決めているのだ。


子どもの頃、東京で就職した叔父が年末やお盆に帰ってくるのに憧れていた。

地方から出てきたという田舎臭さが年々抜けて垢抜けていく様が、年に2回しか会わない私にはとてもよくわかった。

都会の匂いがするような、この辺りではあまり見ない帽子を被って帰ってきたり、ある時はロン毛になって帰ってきたり。

ヒゲを変わった生やし方をして帰ってきたり、長いコートを着て帰ってきたり。


とにかく、新鮮で眩しかった。