三日月の恋

誰にも言えない秘密。

別に友だちに話したっていいんだけど、誰も知らないイチを他の誰にも教えたくなかった。


こうやって、イチは私に時々キスをする。
私はそれを受け入れる。

だけど、それだけ。

秘密を持ちながら、何食わぬ顔で家族や友だちの前で過ごしていることに少しスリルを感じていることは確かだ。

付き合ってもない男の子。
しかも、姉の婚約者の弟とこんなことをしていることで、
私はいい子じゃない。
私は子どもじゃない。
周りの男の子とデートもキスもしたことがない子達と、私は違う。
そう、思えたのだ。