入学式の帰り。
私の一番好きな時間。

あまりに唐突な質問に驚いた。

「そういえば、お前なんでここ受けたの?お前ならもっと上行けるだろ?」

え?

私は玲十を追いかけてこの高校に来た。

玲十と一緒にいたいから。

でもそんなことは言えるはずもなく

「別にいいでしょっ!」

あぁ、素直じゃない。

「れーとと同じ高校に入りたかったんだよ…」

小さな声で言いながらも心のなかで届いてほしいと思う自分がいた。
でもそう上手くは行かず

「なんか言った?」

玲十には届かない願いだった。

あーもう!

「もー何でもないっ!!早く帰ろ!」


「あ、うん。」