と。

「り…龍宇さん…」

腕の中で、微かに声がする。

何とこれ程のダメージを受けながら、莉々はまだ意識があった。

女の身ながら何というタフさか。

「莉々、大丈夫か」

「さ、寒い…」

出血で体温が下がっているのだろうか。

「だ、抱き締めて下さい…」

「こ、こうか」

言われるままに莉々の華奢な体を包み込む龍宇。

「寒い…もっと密着して…」

「あ、ああ」

「歩けない…抱き上げて帰って下さい…」

「勿論だ」

「お姫様抱っこがいいです…」

「わかった、そうしよう」

「チューもしてほしいです…」

「……」

「そのままベッドに直行して…添い寝して下さい…」

「…おい」

莉々の顔を見る龍宇。

「…えへへ…」

疲れ果てた顔ながら、莉々は微笑んだ。

「大丈夫です…私も闘士の端くれですから…」