修羅は戯れに拳を振るう

丸太のような太い脚から繰り出される回し蹴り!

しかし莉々は、この蹴りを体で受け止める!

そして片足を両腕で取り、足首を脇腹に押し付けるようにクラッチし、その体勢から自ら素早く内側に錐揉み状態で倒れ込む事で、修羅を回転力で投げ飛ばす!

ドラゴンスクリュー。

別名は竜巻式足投げ。

一見すると単純な崩し技だが、足首を固定し捻る事でヒールホールドを極めるプロセスを含んでおり、無理に堪えれば膝関節を負傷する可能性がある。

また、適切に受身を取らなければ頭部や腰などを強打する技でもある。

本来はプロレス技なのだが、莉々のような小柄な娘がプロレス技を使うとは思いもよらなかったのか、修羅はいともあっさり投げられた。

「どうよ、芸達者な曲芸師の技は!」

本職のプロレスラーをも病院送りにする修羅を相手に、莉々は善戦を続ける。

「女だと思って、嘗めてると痛い目見るわよ!」

修羅の首を両手で押さえ込み、そのまま頭部に回し膝蹴りティー・カウ・コーンを放とうとする莉々。

その腹に。

「屈辱」

修羅の両掌が押し付けられ、発勁が打ち込まれた!

虎撲烈波!

「このような曲芸師の小娘に、地を舐めさせられるとは」