修羅は戯れに拳を振るう

両手を地面につき、莉々はゆっくりと上体を起こす。

「ど…どういう事…それ…?」

怒り狂い、復讐に滾る?

それはそうだろう。

近しい者を傷つけられた怒りと悲しみは、想像を絶する。

傷つけた相手に対し、同じだけの、いやそれ以上の苦痛を与えてやらねば気が済まないとさえ考える。

その感情は激しく凄まじく、復讐の連鎖が国家をも巻き込み、戦争や紛争の原因とさえなる事もある。

しかし。

「龍宇さんを怒らせて…何の意味があるの…?」

「訊かれた事だけ答えればよし。答えぬならば」

ようやく立ち上がった莉々を、修羅は回し蹴り!

「有無を言わさず屠るのみ」