素早い動きで修羅に突進し、ムエタイの回転肘打ちソーク・クラブを繰り出す莉々。

無論、テレフォンパンチのようなものだ。

修羅は容易く躱す。

しかし、莉々は虚と実を混ぜた攻撃を多用する。

これも只の見せ技。

修羅の側面に回り込んだ莉々は、膝蹴りと肘打ちを同時に繰り出して身体ごと体当たりする!

タビエン・ファン・トー(さかのぼる白鯉)!

「ほぅ、ムエタイか。なかなか芸達者な曲芸師だ」

膝と肘を同時に繰り出したにもかかわらず、修羅はそれを片手ずつで受け止めていた。

ただガタイがよく、パワーでゴリ押しするだけの闘士ではない。

見切りも優れ、様々な格闘技の知識もある。

流石は龍宇の師だった。